双対空間の基底

双対空間とは線形代数で出てくる概念ですが、いまいちありがたみが分かりませんでした。
テンソルや微分形式を勉強していると、なんとなく双対ベクトルとは、ベクトルとペアとなりスカラーを取り出すセンサーの役割のように思えてきました。実際、積分で出てくるdxは方向ベクトルに対するセンサーであることがだんだん見えてきて、接ベクトルに対する双対空間の元であると定義されます。(独学を通した個人的な感想なので、その点ご容赦ください。。)

ここでは、将来テンソルや微分形式を扱うための準備として、ベクトル空間の基底に対する双対空間の基底を構成します。

目次【本記事の内容】

双対空間の基底

体\(k \)上のベクトル空間 \(V\) の双対空間を \(V^*\) と表します。

\(V\) の線形写像(一次形式)\(\{\phi : V \to k \}\)全体の集合が \(V^*\)です。

\(\dim V = n\) とすると、\(\dim V^* = n\) です。

また、\(V\)の基底を\(\{e_1, \dots, e_n \} \)として、

\[
V = < e_i >
\]

と表します。\(( i= 1,\dots, n ) \)

  • ここで、 \(V^*\) の元 \(e^i\)を次で定義します。

\[
e^i(e_j) = \delta_{ij} \quad \text{(Kroneckerのデルタ)}
\]

実は、この定義により、\(\{ e^1, \dots, e^n \}\) は \(V^*\) の基底となることが分かります。

構成的にそれを示します。基底となるには、一次独立なベクトルであること、すべての元を生成できることを示せばいいです。

  • 一次独立であること

 

\(c_1, \dots, c_n \in k \) に対して、\(f := c_1 e^1 + \dots + c_n e^n = 0\) だと仮定する。

\(f\)を各 \(e_j\) に作用させると:

\[
f(e_j) = c_1 e^1(e_j) + \dots + c_n e^n(e_j) = c_j = 0
\]

よって、すべての \(c_j = 0\)。したがって、\(\{e^i\}\) は一次独立である。

  • 双対空間を生成すること

 

\(\forall f \in V^*\)について

\[
f(e_i) = f_i
\]

のとき、

\[
\sum_{i=1}^n f_i e^i
\]

を考える。アインシュタインの規約により、これを

\[
f_i e^i
\]

とかく。

\(v \in V\) を

\[
v = \sum_{i=1}^n v^i e_i
\]
と表す。
これも、アインシュタインの規約により、

\[
v = v^i e_i
\]

このとき、

\[
f_i e^i(v)=f_i e^i(v^j e_j)
= f_i v^j e^i(e_j)
= f_i v^i
\]

一方、

\[
f(v)=f(v^i e_i)
= v^i f(e_i)
= f_i v^i
\]

以上より、\(f = f_i e^i\) なので、\(\{ e^1, \dots, e^n \}\) は \(V^*\) の基底となる。

 

ここでは、ベクトル空間の基底に対する双対空間の基底を作りました。

双対基底は添え字が揃うところの成分を取り出すセンサーとも思えます。

これから、双対空間とは、ベクトルを数値と結びつける構造そのものであるように見えます。

成分とは、センサーを通して初めて現れる量なの気がします。

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