これまで実数の連続性を公理とし,数列の極限について定義,それから導かれる様々な命題,定理を証明してきました.
その結果分かった実数の連続性公理と同値な条件(Bolzano–Weierstrass,Cauhy列の収束+アルキメデスの原理etc)
をまとめたいと思います.
どれを公理としてもよく,自分にあったものを議論の出発点としてよいのです.
タグ: 実数の連続性
コーシーの収束条件から実数の連続性を証明(解析学 第I章 実数と連続8)
我々は今,実数の連続性を公理とし,数列の極限について定義,様々な極限操作を論理的に厳密に扱えるようになりました.
そして,数列の収束を判定するCauchyの収束判定条件を証明しました.
実は,アルキメデスの原理を加えれば,これははじめに仮定した「実数の連続性公理」と同値なのです.
今回はこれを証明します.
コーシーの収束条件(解析学 第I章 実数と連続7)
数列が収束する条件があると便利です.極限値は分からなくても,数列がCauchy(コーシー)列であれば,収束することが分かります.今後も使う非常に有用な定理です.今回はCauchy列が収束することを分かりやすく証明します.
ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理の証明(解析学 第I章 実数と連続6)
区間縮小法の証明(解析学 第I章 実数と連続5)
収束を求めるのに便利!はさみうちの原理の使い方とその厳密な証明
数列の収束を求めるのに様々なテクニックがあります.
その一つにはさみうちの原理というものがあります.
これは収束性を求めることが難しい数列を簡単な数列で下からと上から評価してあげて,目的の数列の極限値を求めるものです.高校数学ではあいまいに説明されていたこの原理を,ε-N論法から厳密かつ分かりやすく解説します.
有界な単調増加数列の収束先は?アルキメデスの原理の証明(解析学 第I章 実数と連続4)
我々は今,実数の連続性を公理とし,数列の極限について定義しました.ここから得られる結果として,有界な単調増加数列の収束先を論じます.またその結果を用いて,一見当たり前のように思えるアルキメデスの原理を厳密に証明します.
数列が収束するとは?数列の収束の計算方法について解説(解析学 第I章 実数と連続3)
実数の厳密な定義ができたところで,次は高校数学でも学んだ数列の収束について定義したいと思います.高校数学ではだんだんとその値に近くことと定義しましたが,ε-N論法を用いて定義を行い,数列の収束問題の計算方法について定義から導かれる結論を解説します.
平方根が存在することをどう証明するか?(解析学 第I章 実数と連続2)
前回,有理数では説明のできないルートなどを説明しようと実数の連続性公理を約束毎と決めました.今回は実数の定義を行い,\(\sqrt 2\)が存在することを保証します.つまり,四則演算や実数の連続性公理さえ認めてれば,矛盾なく解析学の体系を説明できるということです.
議論の出発点〜実数の連続性とは?〜(解析学 第I章 実数と連続1)
微分積分は自然科学を語る上で無くてはならない宇宙の共通言語です.微分積分は高校数学で習いますが,実数や収束について厳密ではありません.本稿では,(自らの理解のために)実数の公理からはじめて,収束や微分・積分を定義し,項別微積分,広義積分等を厳密に理解することを目標とします.