前回,有理数では説明のできないルートなどを説明しようと実数の連続性公理を約束毎と決めました.今回は実数の定義を行い,\(\sqrt 2\)が存在することを保証します.つまり,四則演算や実数の連続性公理さえ認めてれば,矛盾なく解析学の体系を説明できるということです.
投稿者: yuyu
2011年に数学科修士を修了.専攻は整数論.現在は数学に関わるような仕事を求めてIT系企業に勤めております.
数学の研究そのものよりも人類の叡智である数学の最先端を追いかけたく,日々数学書を読んでいます.また,数学の美しさ楽しさを自分の言葉でより多くの人に知ってもらいたいという思いも持っています.
議論の出発点〜実数の連続性とは?〜(解析学 第I章 実数と連続1)
微分積分は自然科学を語る上で無くてはならない宇宙の共通言語です.微分積分は高校数学で習いますが,実数や収束について厳密ではありません.本稿では,(自らの理解のために)実数の公理からはじめて,収束や微分・積分を定義し,項別微積分,広義積分等を厳密に理解することを目標とします.
循環小数を分数で表す方法
循環小数とは小数点以下のある位から同じ数字の列が無限に繰り返される小数です.
例えば \(0.333\cdots\) や \(6.123123123\cdots\)です.
繰り返す数字の初めと終わりの上に「・」を付けて循環することを表します.
$$0.\dot{3} = 0.333\cdots$$
\[ 6.\dot{1}2\dot{3} = 6.123123123\cdots\]
循環小数を分数で表す方法, つまり割り算で循環小数を作る方法を紹介します.